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​鍼灸治療への「依存」ではなく「活用」を

 

 当院の鍼灸治療は、皆様の心と身体のバランスを整え、本来持っている自然治癒力を引き出すことを目的としています。

 しかし、鍼灸治療に「依存」しすぎる状態は、本当の意味での健康とは少し違うと考えています。

 鍼灸治療は、例えるなら、傾いた船のバランスを取り戻すための羅針盤のようなものです。羅針盤は目的地にたどり着くために不可欠ですが、船を漕ぎ、航海を進めるのはあなた自身です。

 施術で一時的に症状が和らいでも、日常生活の習慣が変わらなければ、根本的な改善には繋がりません。 

 当院の目標は、皆様がご自身の力で健康を維持し、鍼灸治療が必要最小限で済むようになること、つまり、鍼灸治療を「活用するもの」として向き合って頂きたいと考えています。

日々のケアこそが健康の礎

 

 では、鍼灸治療の施術日以外に、ご自身の健康を守るために何ができるのでしょうか?

 それが、当院が積極的に推奨している気功法や呼吸法、お灸などのセルフケアです。これらのセルフケアは、鍼灸治療の効果を長持ちさせるだけでなく、ご自身の身体と心に意識を向け、小さな変化に気づく力を養います。

  • 気功法: 身体の気の流れを整え、血行促進、自律神経のバランス調整に役立ちます。継続することで、精神的な安定や集中力の向上にも繋がります。

  • 呼吸法: 深い呼吸は、心拍数や血圧を落ち着かせ、ストレスホルモンの分泌を抑制します。質の良い呼吸は、身体全体の酸素供給を改善し、疲労回復を促します。

  • お灸: 自宅で手軽に行えるお灸は、身体を温め、ツボを刺激することで、冷え性や肩こり、腰痛などの緩和に役立ちます。また、リラックス効果も高く、心の安らぎにも繋がります。

 

 これらの日々のセルフケアは、身体と心を常に良い状態に保ち、病気を未然に防ぎ、活力ある毎日を送るための最も強力な「予防医学」となり得ます。

 当院では、その方法を丁寧にお伝えし、皆様がご自宅で実践できるようサポートしています。

鍼灸治療が心身のメンテナンスに最適な理由

 

 「じゃあ、セルフケアだけで十分なのでは?」と思われるかもしれません。

 もちろん、日々のセルフケアは非常に重要です。

 しかし、鍼灸治療には、セルフケアだけでは届かない深いレベルでの心身のメンテナンスが可能です。

 当院の鍼灸治療は、自分だけでは調整仕切れない不調を特定し、それを「ニュートラルな状態」に戻すための専門的なメンテナンスです。

 そして、日々のセルフケアは、そのニュートラルな状態を維持し、さらに健康な方向へと導くための「日々の点検と調整」です。

 この二つの輪が噛み合うことで、真にバランスの取れた「心身統一体」へと近づき、より最適なコンディションで過ごせること目指します。

☑ 自律神経を整え自己免疫力を上げる

~なぜ、鍼やお灸が効くの?~ 

「なんとなく体がだるい」「眠りが浅い」「気分が落ち込む」「不安や緊張が取れない」……

 そんなお悩み、ありませんか?

 もしかしたら、それは 自律神経の乱れが関係しているかもしれません。

 実は、鍼灸治療にはこの自律神経のバランスを整える働きがあります。
 ここでは、鍼灸がどうやって自律神経に作用するのか、西洋医学と東洋医学の両面からわかりやすくご紹介します。

まず、自律神経ってなに?

 自律神経とは、私たちの体を自動で調整してくれている神経のことです。
 たとえば「呼吸」「血流」「消化」「体温調整」など、意識しなくても働いてくれている大切な神経です。

 自律神経は「交感神経(活動モード)」「副交感神経(休息モード)」の2つからできていて、この2つがバランスよく働くことで、体も心も元気に保たれています。

 しかし、ストレスや過労、生活リズムの乱れなどが続くと、このバランスが崩れてしまい、不調が出てきます。

鍼灸は自律神経にどう働くの?【西洋医学の視点】

​ 鍼やお灸の刺激は、体の表面だけではなく、神経や脳、ホルモンの働きにまで作用します。

● 自律神経の「コントロールセンター」に働きかける

 ツボに鍼をすると、その刺激が神経を通じて脳に伝わります。
 特に、自律神経を調整している「視床下部(ししょうかぶ)」や「延髄(えんずい)」といった部分が活性化し、交感神経と副交感神経のバランスをとる働きが生まれます。

● ストレスを和らげるホルモンが出る

 鍼灸を受けると、脳内で「エンドルフィン」「セロトニン」などの癒しホルモンが分泌されやすくなります。
 これにより、心身ともにリラックスしやすくなり、不安や緊張が和らいでいきます。

 

● 血流がよくなる=回復力が高まる

 鍼灸には筋肉の緊張をゆるめたり、血の巡りをよくする作用もあります。
 その結果、冷え・こり・頭痛・疲れなどが軽くなり、体が本来の調子を取り戻していきます。

東洋医学ではどう考える?【東洋医学の視点】

​ 東洋医学では、「気・血(けつ)の流れ」や「五臓六腑のバランス」が整っていることが健康の基本と考えられています。
 自律神経の乱れは、たとえばこんなふうに見立てます。

  • 気の流れが滞る=ストレスでイライラ・不安定

  • 気が足りない=疲れやすい・やる気が出ない

  • 肝・心・脾(かん・しん・ひ)などのバランスが乱れる=感情・睡眠・消化の不調

 鍼灸では、この気の流れをスムーズにしたり、弱った臓腑の働きを助けるツボを選んで施術します。体質や症状に合わせたオーダーメイドの施術で、体の中からじっくり整えていくのが東洋医学の特徴です。

こんな方におすすめです

  • 最近、疲れが取れにくい・やる気が出ない

  • 夜よく眠れない・朝起きられない

  • ストレスが多く、気分が落ち込みやすい

  • 更年期や季節の変わり目で体調が不安定

  • 病院では「異常なし」と言われたけどつらい症状がある

どれかひとつでも当てはまったら、ぜひ一度ご相談ください。

鍼灸は“体のスイッチ”をやさしく整える自然な方法

 鍼灸は、薬に頼らず、体の内側からゆっくり整えていく「自然療法」です。
 即効性よりもじんわり効いて、体質ごと変えていくことを目指しています。

 「なんとなく不調が続く」そんな状態をそのままにせず、少しずつ“あなた本来のリズム”を取り戻していきませんか?

 興味を持たれた方は、いつでもお気軽にご相談ください。

☑ 気功療法・活法整体を取り入れた総合治療

気功療法とは?

~こころと身体をつなぐ、東洋の自然療法~

◆ 気功療法の特徴

気功法(きこうほう)は、中国に古くから伝わる伝統的な健康法です。
「気(き)」とは、私たちの生命エネルギーや生命力のようなもので、この「気」の流れを整えることで、心身のバランスを調えるという考え方に基づいています。

気功療法には、自分で行う練功(静功・動功)と施術者が気を整える外気功療法があります。

● 静功(せいこう)

瞑想や深い呼吸によって、気を内側に巡らせていく方法。心を鎮め、自律神経を整える効果が期待されます。

● 動功(どうこう)

ゆっくりとした呼吸や動きを通じて、体の内側の気の流れを整える。

● 外気功(がいきこう)

施術者が患者の体に直接触れたり、手をかざしたりして「気」を送り、不調を整える方法。

いずれも共通しているのは、「呼吸」「意識」「姿勢」を使って、人間が本来持っている機能を正常運転させ、自然治癒力を高めていくことです。

気功療法はどんな不調に良いの?

現代では、次のような症状に対して、気功が補助的なケアとして利用されています。

  • 慢性的な疲労感・倦怠感

  • 不眠や不安感

  • 高血圧や心拍の不整

  • 頭痛・肩こり・腰痛などの慢性疼痛

  • 自律神経失調症

  • ストレス性の胃腸症状(食欲不振、便秘など)

  • 更年期症状やホルモンバランスの乱れ

  • がんの緩和ケア(痛みや吐き気、QOL向上)​

 

※病気を「治す」目的ではなく、あくまで心身の状態を整える補完療法として位置づけられています。

現時点での科学的根拠(エビデンス)について

気功法は、伝統的には「気の流れ」という見えないエネルギーを整える方法として語られてきましたが、現代医学では、その仕組みを脳・神経・免疫・内分泌の働きと関係づけて研究が進められています。

 

◎自律神経系への作用

ゆっくりとした呼吸と意識の集中により、副交感神経が優位になり、ストレス反応を抑えることが分かっています。
これは、鍼灸や瞑想と同様の生理反応(リラクゼーション反応)で、血圧や心拍数が安定しやすくなる傾向があります。

 

​ ◎免疫機能の調整

一部の研究では、外気功を受けた被験者の免疫細胞(NK細胞など)の活性が上昇したとの報告もあり、免疫力の底上げに関係する可能性が示唆されています。

◎心身の統合効果

定期的な気功実践により、ストレスホルモン(コルチゾール)の低下や、うつ症状・不安感の緩和が見られたという研究も報告されています。

~研究例(一部抜粋)~

  • 米国国立衛生研究所(NIH)などで、Qigong(チーゴン)と心血管・精神疾患の改善に関する論文が増加中

  • 2020年のメタアナリシスでは、気功の実践が不眠、不安、痛み、うつなどの緩和に効果がある可能性があると報告

ただし、研究の規模や方法にバラつきがあり、現時点では補完医療(代替療法)としての位置づけにとどまっています。

 

気功療法は「整える」ケア

気功は、薬や手術のように即効性のあるものではありませんが、「心と身体の調和をはかる」ことで、人が本来持っているバランスを取り戻すお手伝いができます。

  • 「病院では異常がないけど体調がつらい」

  • 「ストレスが抜けない」

  • 「疲れがずっと残る」

  • 「自然治癒力を高めたい」

そんな方にとって、気功法はやさしい選択肢になりうるかもしれません。​

☑ 健康住宅仕様の施術室

いつき鍼灸院の施術室は、健康住宅「0宣言の家」仕様の癒しの空間です。

 

「0宣言の家」とは?

 「0宣言の家」は、健康を害したり住宅寿命を縮める可能性のある素材を一切使用しない、医師も推奨する健康住宅です。具体的には、以下の素材を使っていません。

  • 合板ゼロ

  • 集成材ゼロ

  • サイディングゼロ

  • ビニールクロスゼロ

  • グラスウールゼロ

  • 防虫畳ゼロ

  • 化粧合板ドアゼロ

  • 木工ボンドゼロ

  • 防虫防腐剤ゼロ

  • シロアリ駆除剤ゼロ

 

自然素材に包まれた、心安らぐ施術空間

 当院の施術室は、天然無垢の杉(愛工房)、天然漆喰(スペイン漆喰)、そして天然い草の畳をふんだんに使用しています。さらに、ベッドやカウンターに至るまで天然無垢材にこだわり、自然の温もりと香りに満ちた空間を作り上げています。

 患者様からは「木のいい香りがする」「まるで森の中にいるみたいで落ち着く」といったお声をいただいており、心身ともにリラックスできる環境をご提供しています。

完全個室で、あなただけの癒しの時間を

 いつき鍼灸院では、完全個室での施術を行っております。

 他の方を気にすることなく、心ゆくまでご自身の身体と向き合い、深いリラックスの中で施術を受けていただけます。

 自然素材に囲まれた安心感と、プライベートな空間で、日頃の疲れを癒していただければと思います。

☑ 気功法・呼吸法など健康法指導​​​

健康とはなにか?

 当院では、本当の健康とは、
  心と身体が調和してバランスが良い状態=
心身統一体
と位置づけています。
 
 当院が掲げる「心身統一体」とは、単に「心と身体は繋がっている」という漠然とした概念ではありません。

 現代社会では、心の不調は精神科へ、身体の不調は内科や外科へ、とそれぞれを切り離して考えるのが一般的です。
 しかし、東洋医学の視点から見ると、心と身体は決して別々に存在するものではなく、まさにコインの裏表のような関係です。

 例えば、ストレスを感じると胃が痛くなる、悩み事が続くと肩こりがひどくなる、といった経験は多くの人が持っておられると思います。
 これは、心が身体に、身体が心に影響を及ぼしている明確な証拠です。

 心身統一体という考え方は、この相互作用を深く理解し、身体の不調を改善することで心の状態も安定させ、また、心の状態を整えることで身体が持つ本来の力を引き出すことを目指します。
 
 「養生気功 樹会」の教室では、呼吸法・気功法を通じて心と身体を調和させる方法をお伝えしています。

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