10月に入り過ごしやすくなってきましたが、まだ暑くなる日があるようです。
朝晩との寒暖差があるので、油断して身体を冷やしてしまいがちです。
というわけで、今月は、「冷え」について取り上げます。
当院の「和方活法整体」は、野口整体をベースに柔術の活殺を取り入れて創始されたものです。
野口整体は、野口晴哉によって昭和20年ごろに提唱された整体法です。
野口先生は、古今東西の健康法や療術などを独自に探求し、治療理念の確立や諸療術の体系化を図りました。
また、患者が「治療を受ける」だけで完結するものではなく、患者本人が自分の治ろうとする「本来人間が持っている治癒力」を引き出すことが整体の目的であると説きました。
野口整体においては、「温める」というのは、一般的に想像するであろう「冷えているから温かくする」という意味ではありません。
身体は、「緩み」と「引き締まり」を自然と行っています。
例えば、暑いときは緩んで熱を発散し、寒い時は引き締めて熱を逃がさないようにする等、いわば自然のリズムと同じです。
しかし、冷えが身体に入ると、身体は強張り弾力を失います。
身体の強張りによるアンバランスをつっかえとして捉え、このつっかえを取るために風邪を引くと緩みと引き締まりのバランスが回復して、弾力を取り戻すことができます。
そのため、野口先生は、風邪を自然の整体法をして捉えておられました。
溜まった疲れは、風邪を利用して発散させてしまえば、身体に弾力が戻り大病に至らずに済むという訳です。
なので、逆を言えば、身体が強張っているのに、風邪も引けない身体は鈍りがあるため、「自分で自分の身体の状態に気が付けなくなっている」ということになります。
野口整体は、緩みと引き締めのバランスが回復するように「操法」と呼ばれる手技を施しますが、セルフケアを行う場合、温法を使うのがお勧めです。
【足湯】
~効用~
☑ 慢性的な疲労感
☑ 喉が痛い時
☑ 頭が疲れている、頭痛
☑ 足の冷え、ほてり
☑ 風邪のひきはじめ
☑ 生理の1日目、3日目
~やり方~
・足首まで浸けることができる入れ物(たらい等)を用意して通常の湯温よりも少し高め(46℃~49℃)の湯を入れる(くるぶしの高さまで足が浸けられる水位まで)
・足を湯に入れ、時々差し湯をしながら、温度が一定に保つようにして6分間、温める
・足を出して乾いたタオルでよく拭いて、左右の足の赤味を比較する
・赤味が薄い方の足をもう一度、湯に浸けそのまま2分間
~全身浴との違い~
・全身浴よりも高い温度で温めることができる
・悪いところから熱を加えて全身を温めるので、体の芯まで温めることができる
~留意点~
・慢性的な症状や効果が感じられないときは、1日に2、3回行う
(長く温めるのではなく間を開けて繰り返すと効果的)
・体のリズムに合わせて大人は8時間、子供は6時間間を開ける
・足湯の前後3時間は入浴しない
(ピンポイントで温めることで体の変化を促す効果があるため)
【アキレス腱の温法】
~効用~
☑ 呼吸器が疲れている時
☑ 頭や目が疲れている時
☑ 頭が疲れている、頭痛
☑ イライラ、ソワソワと気持ちが落ち着かない時
~やり方~
・タオルを用意し、一部を熱い湯で濡らして絞る
またはタオルの一部を濡らして絞り、電子レンジで温める
・温めたタオルをアキレス腱に巻き付ける
・タオルが冷えたら、再びタオルを温めてアキレス腱に巻く
・3回程度、繰り返す
~アキレス腱と頭の緊張~
和方活法では、頭の緊張がある時、アキレス腱の硬さを確認します。
頭に緊張がある人は、アキレス腱が縮んで硬くなっています。
以前、私自身が脳派測定を受けた後、師にアキレス腱の操法を施して貰った後、再度、脳波を測ると、リラックスしている時に測定されるα2波の値が大幅に上がっていました。
そのような体験からも、アキレス腱の温法は、頭を緩める効果があると言えます。
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