今月は、東洋医学における「腎」について触れたいと思います。
東洋医学では、五臓のうち、冬の時期に最も関係が深い臓が「腎」とされています。
腎とは?
まず、初めに少し混乱するのが西洋医学でいう腎臓と、東洋医学でいう「腎」は、少し概念が違うということです。
西洋医学で腎臓というと、臓器そのものを指しますが、東洋医学の「腎」は、臓器および働き、生理作用を含めたものを指します。
東洋医学で「腎」は、生命エネルギーの源であり、成長や老化、ホルモンのバランス、骨や髪の健康などを司る等の重要な役割があるとされています。
冬は「腎」がもっとも活躍する季節である一方、冷えや乾燥によって負担がかかりやすくなります。
「腎」が弱ってくると・・・
☑ 頻尿に悩まされる
☑ 腰痛に悩まされる
☑ 足がむくみ、下半身が冷える
☑ 顔色がくすむ
☑ 耳鳴りや眩暈がする
などの症状が表れます。
腎を活性化させるための3つのポイント
1. 経絡体操で腎を活性化
腰回し
①両手を腰に当てて、ゆっくりと円を描くように腰を回す(左右50回ずつ)
②腰(肋骨と骨盤の間の範囲)を温かく感じられるまで上下にさする
カーフレイズ
腎経は、脚の後面を走行しています。
カーフレイズとは、ふくらはぎを使って身体を上げ下げするトレーニングです。
1.足を肩幅程度に開いて立つ
2.ゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちになる
3.ゆっくりとかかとを下ろす(20回を目安に行う)
2. おすすめのツボ押し
①湧泉(ゆうせん):足指を底屈して、一番凹むところ
②太渓(たいけい):内くるぶしの後でアキレス腱との間
③腎兪(じんゆ) :お臍の高さで背骨の外側指2本分左右にあるツボ
個人的に好きなツボは、太渓です。
太渓は、「原穴」と呼ばれる元気(源気)が多く集まるところです。
したがって、原穴は、元気(原気)の状態が現れます。
3. 腎を元気にする食養で食材
腎を養う食材は、黒い食材です。
黒い食材:牡蠣、海苔、昆布、黒ゴマ、黒豆、黒米、など
~鍼灸の力で腎をさらに元気に~
鍼灸治療の魅力は、人間が本来持っている力を引き出すお手伝いができることです。
人間は、他の動物と同じように、自然治癒力や心身の働きを正常に保とうとする力を誰も持っています。
したがって、鍼灸治療は、単に施術を受けるというだけでなく、施術者と患者様が協力して良い方向に持っていく施術と言えます。
当院では、お灸教室や気功法・呼吸法教室など、セルフケアを積極的に取り入れるためのメソッドを豊富に用意しております。
まだ体験されたことのない方は、是非お立ち寄り下さい。